La Bottega Artistica in 東京 - " MOBILI NON RESTARATI "

修復待ちの家具達

まだ手つかずのままの家具たちです。歴史の闇の中から引っ張り出されて来たばかり、といった体で,びっくりされる方もあるかと思いますが,100年、200年前の物がアンティーク家具として注目される時の最初の姿なんて、多くはこんな物です。
大丈夫、私たち修復師はこれよりもっと悲惨な状態の文化財などを相手にしてきているので、もうなれっこです。修復が終わったものがどうなるのか、おたのしみに。

一つずつ、細かく紹介していきたいと思っているのですが、何せ一人なもので…。   サイズなど、外見からのデータはあるのですが、細部の写真などはこれから撮らなくてはなりません。だから、リクエストしていただければ助かります。その家具から優先的に紹介します。
小さな写真もクリックすると拡大します。(サイズの大きい物はちょっと時間がかかるかもしれません)

tavolo da pranzo.jpg Cod. 08
Tavolo da pranzo /
ダイニングテーブル
想定価格  ¥150,000  SOLD OUT GRAZIE

tavolo gambe. jpg.jpg
Cod. 08/
ダイニングテーブル
(延長用天板2枚付き)/ 
くるみ/ 
110 x (107- 160) x 80 (cm) / 
1930年代/ トスカーナ地方

 これは、アンティークではないです。1930年代に工場生産されて、わりと広く普及したモデルです。国産(イタリア産)のクルミでできたしっかりしたものではあります。
 脚にはルネッサンスのガーゴイルが彫刻されています。延長用の2枚の天板はモミの木です。オリジナルだと思いますが、クルミの無垢に交換も可能です。広々として使い心地はいいですよ。

DSCN2724.JPG
SOILD OUT GRAZIE
Cod. 14 /
sgabello da calzoraio/
靴屋のスツール

sgabello.jpgsgabello da alto.jpg
Cod. 14/
スツール/  
ポプラ(?)とクリ/
φ31.5 x 高43.5       (cm)/
1800年前後/ 
トスカーナ地方

 なんだか、頑張って立ってる、って感じの健気なこのスツールは、アンギアーリ出身です。
La bottega artistica in Anghiari のある場所は、戦後、一度もその扉を開けられることなく、眠っていました。私達が、そこでで活動を始めた時、ワインの樽や、古い木工道具や靴屋の作業台、が無数に埃をかぶっていました。そこで、市の登記簿で調べた結果、17世紀以降、ここで営まれた職種を知る事ができました。  
 何と言っても驚くべきは、歴代の工房主が、以前の工房が置いて行った物を捨てずに持っていた(何らかの形で使っていた)という事です。
 このスツールは18世紀末から19世紀始めの靴職人の物と思いますが、18世紀以前、この一帯が、馬車の車輪を作る工房として栄えていた頃の、道具類もありました。…こういう事については話し出すときりがないので、いずれ、ブログででも、紹介する事にして…
 とにかく、頑張って立ち続けているこのスツールは、全身クギだらけ、油まみれですが、何とか陽のあたるところで再出発させてやりたくて、連れて来てしまいました。

comò1.jpgCod.06/
Como' /
チェスト(4段)
想定価格 ¥300,000

comò parte intagliata.jpgcomò piede a cipolla.jpg
Cod. 06/
引き出し4段チェスト/
クリとモミ/
115x58x106(cm) /
19世紀末/
エミリア・ロマーニャ地方

 1800年代も後半になってくると、家具も工場で生産されるようになリ、個人の工房の数も次第に減って行きます。これは工房製の家具です。エミリア・ロマーニャ地方で、この時期に流行ったスタイルの物です。シンプルですが、家具製作のお手本のような作りの良品です。引き出しはいちばん上が浅く(10cm)その他の3つは18cmの深さがあり、上2段は錠が付いています。把手は欠損している物もあり、これについては、里親になって下さる方と相談の上、対処したいと思います。サイドに簡単な装飾彫刻、脚は Cipolla(タマネギ)と呼ばれる、18.19世紀のメジャーなスタイルです。裏から見た時の背板の作り、天板の固定の仕方、など、材の伸縮にきちんと対応できるような凝った仕事は、好感が持てます。見えない所に手数が入っているんです。これは、良品の条件です。
comò fodela.jpg
comò fissaggio del piano sopra.jpg

comò piano sopra.jpg

 天板も、今ははげちょろけですが、きれいになりますよ。

3sedie.jpg
Cod. 13 / 12 / 07
Sedia da seggioraio
Sedia dipinta
Sedia rustica/
巡業椅子職人の椅子
ペンキを塗られた椅子
農民の椅子

sedia da seggioraio.jpg
Cod. 13/
巡回椅子職人の椅子/
クリ/
1850年前後/
トスカーナ地方
想定価格¥50,000

 個人的に、大好きなタイプの椅子です。下に修復例があります、説明もそこにあるので見てみて下さい。座面は限界だったので編み直しました。イタリアの田舎の伝統をお部屋の隅に、いかがですか?


SOLD OUT GRAZIE sedia dipinta.jpg
Cod. 12/
ペンキを塗られた椅子/
ブナ/
1880−90年頃/
トスカーナ地方
想定価格¥40,000

 何度もペンキを塗り替えられながら使われ続けてきた、トスカーナ地方の典型的なモチーフを背もたれに持った椅子です。
電動の鋸がやっと出回るようになって、庶民もこの程度の装飾の施された椅子を持つ事のできるようになった頃のテウ゛ェレ河上流地域のものです。

sedia rustica.jpg
SOLD OUT GRAZIE
Cod. 07/
農民の椅子/
クリ/
1790年頃/
トスカーナ地方
想定価格¥30,000

 一方これはかなり古いです。典型的な、農家の手作り家具です。限られた粗末な道具(殆ど農作業に使われるような)だけで、作られています。プリミティウ゛なテイストがお好きな方におすすめです。このページの右側にある写真は、19世紀中期の農家の寝室を再現したものです。何となく、イメージとして彼女の見てきた風景を想像してみていただけたら、と思います。

修復例

だいたいこのレウ゛ェルまではきれいになります。当工房の修復では、消失部分以外の
パーツの交換などはしません。全部オリジナルの部分を残した状態です。

全ての写真はクリックすると拡大します。

img001.jpg    修復すると…        ここをクリック!

DELTASS3.jpg     DELTASS4.jpg 当工房には、けっこう悲惨な状態の家具がよく(ばっかリ)持ち込まれます。これもあるお客様が骨董市で見つけたものを修復した物です。初めはちょっとうんざりでしたが、先ず溶剤で一部精査した所、桑の木が使われている事が判りました。木目も美しく、材質としては珍しい物です。高級素材ではありません、ワインの樽なんかに使われる木です。イタリアで絹の生産地は北部ですから、トスカーナ地方、樽の製造が盛んだったキャンティの辺りから来た物でしょう。引き出しの真鍮の把手は中が空洞の物で、つぶれています。このタイプは1次大戦以前の物で、以降は中身の詰まった物になります。でも、板同士のジョイントの方法や、釘のタイプを見ると19世紀まではさかのぼれない、微妙な所です。20世紀初頭、という所ですか。
何しろ、雨ざらしになって長いことほっぽらかされていた為に埃やカビで真っ黒で、材も歪んで、扉が閉まらないし、細かいパーツも消失していました。
 ともあれ今は、フィレンツェ市内のアパートで、他のアンティーク家具と一緒に幸せに暮らしています。

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  修復すると…        ここをクリック!

DSCN2310.jpg  DSCN2309.jpg                
   私は、このタイプの椅子が大好きです。19世紀、北イタリアから来る椅子作りの職人がイタリア半島を行商して歩いていました。彼らは身体一つと簡単な道具一式だけで旅をしながら、用命があればその場で材料を調達し、必要な数だけ作って立ち去って行ったわけです。
きちんと製材された材木など使っていません。斧で叩き割った木を削って整形します。そして、乾燥させていない木と切られてから時間の経った木を適材適所に使い分けながら組上げてあります。パーツ同士の組み手のメスになる側に未乾燥の材が使われていれば、時と共に湿った材は乾いて縮み、オス側の材を締め付けていきます。
こうして、のりも釘も使わずに組んであるのに、もうびくともしなくなるわけです。
 形はあっちへ傾いたりこっちへねじれたりして、並んでいると合唱してるみたいで、まあ何ともかわいらしいんです。それでもちゃんと立ってるから、すごい。水平、垂直の基準なんて初めから無いので、修復する時はちょっと厄介ですが、手道具だけでやると上手く行ったりします

未修復家具をカスタマイズする?

comò.jpg→→Cassettoni 2.jpg
未修復の家具をカスタマイズする、というのは別に難しい事ではありません。使っていただく為の家具の最低限の機能の回復はもちろん、カスタマイズ以前の問題として、修復メニューの中に含まれます。しかし、現状の色や風合いをどの程度残すか、色合いを変えるか、など、些細な事のようですが、これが自分のイメージとぴったり合った時は、その家具への愛着も増すものです。工房TOP、上の方のコーナーに、イタリアン・アンティーク家具をスライドショウで見る事が出来るタグがあります。中にはここにある物と似たような家具もあるはずです。“こんな色だったらいいな”“この風合いは出せないかな”という具合に、これらの参考映像を引き合いに出して、相談して下さってもかまいません。
sedia daseggioraio.jpg → → sedili da seggioraio.jpg

→ → DSCN2309.jpg 

      LinkIcon工房TOPページへ

気になる家具があったら

購入していただくかどうかに関わらず、とにかく気軽に声をかけて下さい。 
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ちょっとフォトギャラリー

19世紀中頃の、イタリアの田舎の農家のイメージです。



Casa in campagna1.jpg




Letti e Culle 1.jpg

想定価格の表示について

想定価格、とは、現状の家具に修復費用を予想して加算したものですが、修復過程においては何が起こるか実際に手をつけなくては解らない事が多々あります。予想以上に厄介だったり、また逆の事もあります。またお客様のカスタマイズのご要望によっても修復費は上下します。だいたい、¥20,000円以下の上下幅になるように設定してあります。カスタマイズの際の参考にしていただければ、と思い、表示する事にしました。