La Bottega Artistica in 東京 - " COD. 02a-d "

Cod. 02a - d
4 Sedie / サイドチェア 4脚 /
4 Side Cheirs

ビーダーマイヤー様式 / Biedermeier style

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V e VIII.jpg XII e III .jpg campione cromatico.jpg現時点の仕上がりの色はこんな感じになります

今はまだ、仕上げの塗装はしてありません。新しいオーナーになって下さる方に、色は決めて頂きたいからです。
工程としては、ご要望に応じて、着色、その後シェラックニスとワックスで仕上げます。
時間は3日もあれば充分です。この工程は表示価格に含まれます。

製作年代 /   1825 年頃

    製作地 /    オーストリア・ウィーン

材質 /       クルミ

サイズ /  幅43 X 奥行46 X 座面までの高さ 44 /全高 90 (cm)

                         
         

    価格 ¥450,000     

Descrizione

この家具について

  典型的なビーダーマイヤー ( Biedermeier )様式を持ち、製作者の技術、計算され尽くしたフォルム、共に文句のつけようのない、
いわゆる優等性的な家具であります。
 この形は、オーストリア・ウィーンのものでしょう。製作年代は1825年頃。当時のイタリア半島北部がオーストリア帝国の支配下にあった事を考えれば、制作地をウィーンとし、オーストリア人によってロンバルディアに持ち込まれた後、1859年、オーストリアのロンバルド=ヴェネト王国からの撤退と共にイタリア人の手に渡り、1861年のイタリア王国成立以降、トスカーナ地方まで南下して来た物だろう、という解釈が自然かと思います。実際、これはフィレンツェ在住の御婦人のおじいさんのコレクションの一つであった物で、年代的にも一致します。
 ただ、動乱の時期であった19世紀から世界大戦、フィレンツェにはあの、大洪水まであった20世紀の中頃までのイタリアは、おそらくこの家具にとっても受難の時期であったと思われます。
 修復には少し手間がかかる物もありましたが、ビーダーマイヤー様式の特質と、椅子としての機能は回復しています。

 材質について。全部クルミの木で出来ています。微妙な曲線は、いくつかの板を接いだブロックから手鉋で削り出されています。さらにその表面をクルミの化粧板で覆って、正面、側面の美観を作り出しています。非常に手の込んだ、美しい仕事です。

  LinkIconビーダーマイヤー様式って?

個別に見る /オリジナルコード・ III

III.jpg
   オリジナルコードは、座面を外すと刻まれている数字です。12脚以上製作された事を表しています。

 III は、座面を支える枠と背もたれを組むジョイント部分に、以前あまり旨くない修理をされた為、全体の歪みが出てしまい、接地が悪くなっていました。ジョイント部分を再修理した上で、右前足を少し接ぎ木する事で問題は解決しています。

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個別に見る /オリジナルコード・ V

V.jpg
V は、決して良い保存状態ではありませんでした。背もたれの右側が以前折れた事があり、修理はされていましたが強度に問題があるので、再接着をし直しました。 他の3脚にも共通した問題ですが、V は、特に虫害がひどく、ジョイント部分の材がスカスカになってしまった為に、ジョイントの凸部が折れていました。このように材自体の強度が落ちてしまった部分は、修復用の薬品で材木組織そのものを硬化させてしまいます。オリジナル部分を出来るだけ残し、かつ強度を維持する方法ですが、もはや欠損してしまった部分は、クルミの古材を接ぎ木して補ってあります。

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個別に見る /オリジナルコード・ VIII

VIII.jpg
 VIII は、もっとも状態の悪い物でした。椅子って、投げる物だっけ?と尋ねたくなるような壊れ方を、以前しています。 いくつかに折れた背もたれはクギで再結合してあったのですが、この様式はクギを使わない事が特徴であるので、化粧板の下にバイパスを入れる事で再結合し直しました。修理箇所が非常に多かった分、他の3脚より長もちしてくれる事を祈ります。


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個別に見る /オリジナルコード・ XII

XII.jpg
  XII は、幸運にも、受難を逃れたようで、殆ど修復された形跡もありませんでした。他の3脚を思うと、奇跡的です。
ただ、接地に問題があったので、分解清掃して組み直しをしました。
それから、III に施されていた修復に倣って、座面を支える枠組みに強化用の木片を追加しておきました。4脚全てにこれは追加されています。外からは見えません。

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座面について

Sedili .jpg
  座面は木枠の上に、ジュートを張って藁をつめたクッションを、この布で覆ってあります。何度も張り替えられた形跡がありますが、最近の物でも30年以上は経っています。張り替えをされたい方には、何とか近い素材を探してみますが、こういった毛足の長い、絨毯に近いような織物は、現在、見つけるのはかなり困難かと思います。イタリアでも、この手を扱う生地屋は殆どありませんでした。
 多少すり切れた部分もありますが、個人的には、限界まで大事に使って頂きたいと思います。国会議事堂の椅子もこの類だったそうですが、今はもう、同じ生地で張り替えるのは無理だという話もききました。

別の角度からフォルムを見る

V e VIII viste da dietro.jpg    XII e III viste da Dietro.jpg
  この椅子には直線がありません。直線に見える輪郭も、脇へまわると微妙にカーブしています。これを全ての製品に同じように手鉋で削って整形してあるわけですから、かなり綿密なプロジェクトが必要でしょう。図面を見てみたいです。きっと図面だけでも額に入れて飾りたいくらい、かっこいいに違いありません。