La Bottega Artistica in 東京 - "Cod. 01"

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            • 製作年代 1890-1910年頃
            • 製作地 イタリア・マルケ州
          • 材質  クルミ/モミ
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        • サイズ  幅109 X 高さ162 X 奥行56 (cm)

                     

     

価格 ¥380,000          

Descrizione

この家具について

 フランス発祥のデザインで、"Secre`taire" と呼ばれ、17世紀から19世紀にかけて流行した家具です。多くは上部構造に、縦に開閉する扉を持ち、それが開いている時は書き物机となる、いわゆるライティングビューローです。しかし、このタイプはデスクの機能を持たないタイプとして、フランス、イタリアではよく見かけます。一説には、いわゆる典型的な嫁入り箪笥、すなわち女性用に作られた物であるといわれます。
 
 制作年代について。1800年代前半のインペリアル様式(神殿等の建築要素を家具の装飾として使う) を引き継ぐ、内外4本の丸柱は19世紀のものですが、レリーフ彫刻は自由で、私的で、形にとらわれないスタイルです。20世紀に入って作られたものといった印象です。使用されている釘はもう既に工場生産されるようになってからの物であることから19世紀もかなり遅い時期といえます。外観からは1900年前後、と判断しておいていいでしょう。
 
 材質は、彫刻してある部分や、装飾用の柱など、可視部分にはクルミを使っています。引き出しの中になる部分や背板、不可視構造部はモミの木です。日本の杉みたいなものです。
 

  各部分はこんな感じです   写真をクリックすると拡大します

扉の内部

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  扉の内部は4本の柱(ほんとは2本なんですが…詳しいいきさつはブログで触れていますので下記へアクセスしてみて下さい)以外はモミの木で、出来ています。クルミのような高級素材ではありませんが、それ独特の丸みを帯びた侵蝕のされ方が、けっこういい感じです。3つの引き出しの分厚い板に見て取れます。ただ、着色が旨くなかったので、結局一度塗膜を落として、再着色をしました。染み込んだ色や黒ずみは取りきれませんでしたが、見られるようにはなったと思います。
 歪んだ鏡は間違いなく19世紀のもので、どこかからリサイクルしてきたものかも知れません。もし、本当に女性用に作られたものだとしたら、この中には、クリームの箱や、香水瓶、アクセサリー、それから手紙なんかが納められていたのかも知れないですね。

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扉のレリーフ

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 この家具の、一番目を引く部分です。こういうことをやっちゃうのがイタリアっぽいです。とても私的な、絵画的要素を前面に出してしまうのは、そうよく見かけるものではありません。この家具の制作地であるマルケ州はイタリア中部の西海岸に面しています。山あり、海あり、両方の幸に恵まれた州です。左側の扉に農村の母子像、右側が海辺のそれ、というわけです。

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引き出しのレリーフ

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 引き出しのレリーフも手彫りです。この頃からパントグラフ(木彫コピー機)のはしりみたいなものが使われ始めるのですが、これはマニュアルです。微妙な形の違いがあります。ルネッサンス風のモティーフですが、これはマルケ州がモンテフェルトロ公爵領であった時代(ピエロ・デッラ・フランチェスカが描いた肖像画などは有名ですね)への憧憬でしょうか。

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斜めから見た所

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サイドとバックは、虫にかなりやられていました。向かって左が特にひどく、おそらく、妙に無傷の、上部モールディングは取り替えられたものと思われます。駆除は念入りにしたつもりです。クルミの一枚板(たかだか8ミリ位ですけど)の木目がきれいです。 

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大理石の天板

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 この箪笥、実は天板があるんです。しかも死ぬ程重い大理石の。とても一人では乗せられません。誰か助けてくれる人が見つかったら写真を撮りますね〜。天井の高いお部屋をお持ちの方なら、アンフォラの壷なんかおくとかっこいいですね。

引き出しを開けたところ

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  そう、この引き出しにはいろいろ苦労させられました。これであと20年位は問題なしで行って欲しいものです。でも後々修復し易いようにいじってあるので、私がこの世にいなくなってもここまで苦労して直さなくてもいいことでしょう。
内側には何か紙とか布とかを敷くのをお勧めします。個人的な趣味ですが。                                    

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金物

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 錠前のセットはこれです。残念ながら、錠はオリジナルではありません。以前取り替えられています。4つのうちの2つの鍵穴用の金具と鍵が消失していましたので、似たようなものを付けてあります。
この箪笥は把手というものが殆ど無く、鍵を引っ張って開閉、施錠、をするシステムです。扉には把手がついていた形跡もありますが、錠前とは共存できる位置ではないのが、謎です。ちょっとひっかかる点ではあります。

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